アンケートにご協力くださりありがとうございました。
お寄せいただいた回答については、現在集計・解析を進めております。
ご回答くださった方々より、アンケートの設問に対して以下のような指摘・意見が寄せられました。
1.設問番号III-5 「フィールドワーク中の性被害を防ぎ、また起こってしまった場合の事後の対処のために、所属機関(大学、研究所など)はどのような対策を取るべきだと思いますか?」について
→被害者側への対策と加害者側への対策、また事前と事後の対策は異なるはずであり、設問を分けるべきだったというご指摘がありました。
2.設問番号III-6 「フィールドワーク中の性被害を防ぎ、また起こってしまった場合の事後の対処のために、指導的な立場にいる人(指導教員、上司など)にしてほしかったこと、あるいは、してほしいことは何ですか?」について
→指導的な立場にいる人が加害者であるケースの場合を想定していない選択肢が多く、問いと選択肢の設定が不適切だというご指摘がありました。また、事前と事後の対策は異なるはずであり、設問を分けるべきだったというご指摘がありました。
3.設問番号III-7 「フィールドワーク中の性被害を防ぎ、また起こってしまった場合の事後の対処のために、あなたがすべきだったことは何ですか?」について
→事前と事後の対策は異なるはずであり、設問を分けるべきだったというご指摘がありました。
上記三つの設問には、回答してくださるみなさまの負担の軽減を目的に、さまざまな観点を織り込みましたが、そのためにかえって、設問項目が一意に定められない、いろいろな状況があてはまる、重複が生じる、といったケースが生じてしまいました。時間を割いて回答を記入し選択肢を選んでくださっているのにも関わらず、そうした点で迷惑をおかけしてしまった回答者のみなさまに対しては誠に申し訳なく思っております。
4.設問番号III-7「フィールドワーク中の性被害を防ぎ、また起こってしまった場合の事後の対処のために、あなたがすべきだったことは何ですか?」について
→性暴力の発生の原因を被害者に帰し、被害者側に対策を求めているように見えるので不快だった、辛い気持ちになったというご意見がありました。
本設問は、性被害が繰り返されないようにするために、後続のフィールドワーカーへのアドバイスを被害者にお聞きすることを意図していました。しかし、「すべき」という表現は不適切であり、また「あなた」ではなく、「フィールドワーカー」と書くなどの配慮が必要でした。また、被害者側の対策だけで性被害を防ぐことができるわけではなく、加害者側へのアプローチが必要であり、そのような設問も設定すべきでした。ご回答者の方々に辛い記憶を呼び起こすアンケートでありながら、配慮が行き届かない箇所があり、回答者の方に不快な思いをさせてしまいましたこと、深く反省いたしております。今後の改善点への課題とさせていただきます。
5.全体的な用語の問題について
「フィールドワーカーの「もやもやとした感情の揺れ」に耳を澄ませること」ことが本アンケートの趣旨であるなら、「被害者」「加害者」という近代司法上の用語の使用は不適切である、また、自分の身に起こった出来事が性被害だったのか、相手が加害者だったのか、ということは本人には分からない場合も多くあり、そういった「もやもや」に配慮するために、「被害者」「加害者」ではなく「当事者」、「性被害」ではなく「出来事」という用語を選択してはどうか、というご意見がありました。大変勉強になり、また用語選択が不適切であったために、「もやもや」した感情をお持ちの方には答えにくい作りのアンケートになってしまいましたこと、お詫びいたします。
その他、被害者として女性を想定しているように感じられた、海外調査を想定しているように感じられた、回答を進めていくなかで、問いがレイプや強制わいせつなどを想定しているように感じられ、自身の性被害が取るに足らないものであると扱われているように感じられて辛くなった、などのご指摘もいただきました。広くフィールドワーク中の性暴力被害を対象としたアンケートとして設計いたしましたが、上記のように受け取られる箇所がありましたこと、再度見直しを行い、今後の課題とさせていただきます。